Amazon S3 Express One Zone

出典：AWS Blackbelt

S3 Express One Zoneとは

• 一桁msのリクエストレイテンシ
  • レイテンシが最も低いストレージクラス
  • 指定した単一のAZにデータを配置
• 10倍の高速化 ＋ リクエスト料金は半額(Standardクラスと比較して)
• ユースケースとしては頻繁にリクエストされるデータ
  • 機械学習、データ分析、コンテンツ作成など

実現する3つのポイント

1. コンピュートリソースと同じAZにデータを配置

• 耐久性は99.999999999%(イレブンナイン)、可用性は99.5%
• ただし、シングルAZのアーキテクチャのため、AZ障害でのデータ損失の可能性はある

2. ディレクトバケット

バケットの違い

汎用バケット	プレフィックスごとにスケール、負荷に応じて段階的にスケーリング
ディレクトリバケット	常に高い性能を発揮、プレフィックスに依存しない

• 汎用バケットとディレクトリバケット間をシームレスに変更することはできない
• ただし、シームレスに移行はできないがオブジェクトの移行は可能
• ディレクトリバケットの命名規則として、ベース名にAZ IDが含まれる
• ベース名＋AZサフィックス(例：–use1-az-6–x-s3)

S3 の種類

S3 Express One Zone	最も頻繁にアクセスされる	ディレクトリバケット
S3 Intellogent-Tiering	アクセスパターンが変化する	汎用バケット
S3 Standard	頻繁にアクセスされる	汎用バケット
S3 Standard-IA	頻繁にアクセスされない	汎用バケット
S3 One Zone-IA	アクセス頻度が低く再作成可能	汎用バケット
S3 Glacier Instant Retrieval	ほとんどアクセスされない	汎用バケット
S3 Gracier Flexible Retrieval	アーカイブデータ	汎用バケット
S3 Gracier Deep Archive	長期アーカイブデータ	汎用バケット

制約

• アクセスが90日間ないディレクトリバケットは、非アクティブ状態に移行
  • データは保持されるが、一時的に読み書き不可(503)
  • アクセスリクエスト後、通常数分以内にアクティブ状態へ移行
• サポートされていない機能の一例（用途がレイテンシー重視のワークロードのため）
  • AWS CloudTrailデータプレーンイベント（オブジェクト操作）
  • 静的ウェブサイトホスティング
  • S3ライフサイクル
  • オブジェクトタグ
  • S3 Storage Lens
  • SSE-KMS,SSE-C

3. SDKによる効率的なアクセス

• レイテンシを最小限に抑えるためセッションベースでの認証を採用
• AWS SDKを使用することでユーザーに変わりセッション作成・管理

ネットワークとセキュリティ

２種類のAPIオペレーション

リージョンエンドポイントAPIオペレーション	バケットレベルの操作	IAM認証
ゾーンエンドポイントAPIオペレーション	オブジェクトレベルの操作	セッショントークン
※CopyObject,HeadBucketのみIAM認証を利用

セッションベースの認証

下記の認証の操作をSDKがラップしてくれる

1. CreateSession：操作したいバケットとR/W,R/Oを指定
2. 認証情報；一次的な認証情報とセッショントークン
3. データへアクセス：認証情報の有効性を確認(有効期限５分)

IAMポリシーの記載方法は既存のものと異なる

例

...
"Action":"s3express:CreateSession"
...
"Condition": {
    "StringEquals": {"s3express:SessionMode":"ReadOnly"}
}
...

VPCエンドポイントに対応

• リージョンAPI、ゾーンAPI両方を操作可能
• ゲートウェイ型のみの対応

制限と料金

利用可能なリージョン（AZ ID : コンソールの表記とは異なる）

※2024年5月

ap-northeast-1	apne1-az1/apne1-az4
us-east-1	use1-az4/use1-az5/use1-az6
ue-west-1	usw2-az1/usw2-az3/usw2-az4
eu-north-1	eun1-az1/eun1-az2/eun1-az3

料金

※2024年5月

	S3 Express One Zone	S3 Standard
ストレージ料金	$0.18/GB	$0.025/GB
Getリクエスト料金	$0.00019/1000 Request	$0.00037/1000 Request
Putリクエスト料金	$0.0024/1000 Request	$0.0047/1000 Request

上記に加えて、データIOの時間が短縮されることでコンピュートリソースの削減が可能な可能性がある(TCOで判断)